急に、本当に急に 主人が引越しの準備を始めた。
何やら3年越しでビルオーナーに口説かれ
そのビルを1棟まるまるオペレーションすると言うのだ。
今までさんざん
店舗や事務所
そしてここ数十年は
アパートメントやマンションを
創ってきた吾輩の主人
そして、その作品たちを
一度も自分がオペレーションすることはなく、コンサルだけをやってきたのに
今回は叔母の相続で入った小銭まで導入して
ビル一棟の事業再生リノベーションをするという。
その上、よせば良いのに
悠々と66㎡の庭付きの部屋を捨てて
その3分の2くらいしか無いスペースの上
エレベーターの無い四階に吾輩と2人で住むというのだ。
おいおい
さんざんねこの試験を受けた時に
ねこは環境の変化を一番嫌うと学んだことを忘れたのか?
振り返ること
吾輩が熱海の保護ねこ団体『くすのき』さんに居て
そこに主人がふらっと現れたときには
相当変わった人間に見えたものだ。
そして、吾輩も変わり者なので
なんかウマが合いそうな気がして主人の膝に座ってやった。
主人はすぐさま
「この子にします」
といって僕の鼻に右手の人差し指を近づけて鼻を撫でるのだった。
びっくりした目をした保護猫カフェの店長が
「他にもまだねこちゃんはいっぱいいますよ。
ここの他にシェルターがまだ3つあります。
そんなにすぐ決めなくても…」
あとから、主人はに聞いたのだが
逢ったその瞬間から吾輩にソウル電波を感じたようだった。
「このこで良いです」
といったのだが、店長は
「ちょっと言いにくいのですが
この子は片目なんです。
それに猫エイズです。
本当にそれでもいいのですか?」
主人は
「片目なんですね、猫エイズのことをちょっと教えてもらえますか?」
といって話を聞き、ハンデを持っていても元気に生きる
吾輩を気に入り、そして最初に感じたソウル電波を大事にしたようだ。
それが吾輩『プラトン師匠』と主人の最初の出逢いだ。
やはり、人間味はあるが変人際なりない男であることは間違いない。
YO-SORO
この話の続きはねこビルの4階で
仕事終わりにBeerを呑んで書くことにしよう。
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